会派で長野県へ視察に行きました~地域移行支援と野辺山営農ソーラー~

1月末に立川市議会会派・立憲ネット緑たちかわのメンバーで長野へ行政視察を行ったご報告です。

初日は長野市における「地域移行の推進」について担当課よりご説明いただきました。

長野市では、精神科病院に長期入院している方や障害者支援施設で生活している方が、退院・退所後に地域で暮らせるよう支援する「地域移行」に力強く取り組んでいるとのことで、以前からずっと具体のお話を伺いたいと思っていました。

本事業はもともと長野県が実施していたとのことですが、平成27年度の中核市移行に伴い、市が単独で引き継いだそうです。現在は「地域移行コーディネートセンター」を設置し、コーディネーター1名体制で運営されています。

この、地域移行コーディネーターの役割としては、障害があっても自ら選んだ地域で暮らしていけるよう地域生活への移行や定着の調整支援を行うことが主たる業務となっています。具体的には、入院(所)中から退院(所)後の地域における生活までの一貫した支援、病院及び障害者支援施設並びに障害福祉サービス事業所等の関係機関との連携、地域における包括的な支援及びネットワーク構築、相談支援事業者等に対する専門的な支援・助言等、多岐にわたります。

今回、私が特に感銘を受けたのは、「地域でいこう委員会」の取り組みです。

長野市では、精神科病院への長期入院者の割合が高いという課題を背景に、施設や医療から地域生活への移行を進めるための協議の場として本委員会を設置してきました。精神障害は、障害者福祉の中でも医療との関係性が強く、他分野と分断されがちですが、地域でいこう委員会では、精神障害者も含めた地域移行を一体的に進める視点をもち、退院支援や地域包括ケアシステム(いわゆる「にも包括」)の構築に取り組んでいます。

また、長期入院の要因分析を踏まえ、支援者向けガイドブックを作成し、市内の医療機関や相談支援事業等へ配布するなど、制度の周知と実践の底上げにも努めてきました。入院患者本人に情報が届きにくいという課題や、医療機関との連携の難しさといった現実に向き合いながら、地域全体で支える体制づくりを模索してきた姿勢から学び、本市での施策推進にも活かしていきたいと思います。

支援者向けガイドブックはこちらからご覧いただけます

精神障害を特別なものとして切り分けるのではなく、地域の一員として包摂する体制を構築しようとする取り組みは、今後の障害福祉政策を考える上で重要な視点であると感じました。

(↑長野市が運行する市内循環型のコミュニティバス「ぐるりん号」で移動)

2日目は、長野県南牧村にある「野辺山営農ソーラー」を視察しました。本事業は、長野県内最大級、かつ日本最高地点に位置する営農型太陽光発電であり、約3ヘクタールの農地を活用して、農業と再生可能エネルギー発電を両立させる取り組みです。

発電設備の下では、ほうれん草やブルーベリーなどの栽培が行われており、売電収入を農業経営の安定化や農地再生に活用しています。営農と発電を対立構造で捉えるのではなく、「農地が主役」のモデルとして設計されている点が特徴的でした。(今回訪れたのが年間で一番寒い時期だったこともあり農作物があまりなく、是非また夏に来てください、とのことでした)

また、発電事業者、地元農業者、環境エネルギー政策研究所(ISEP)、生活クラブ生協、地域金融機関など、多様な主体が連携し、持続可能な農業と地域活性化の両立を目指しています。再生可能エネルギーを地域内で循環させる仕組みづくりも進められていました。

さらに、隣接する別荘をリノベーションし、交流拠点「野辺山ヌーヴォー」として整備することで、観光農園やワークショップの開催など、農業・エネルギー・交流を組み合わせた事業展開を構想しているとのことでした。お話を伺いながら、地域の未来が広がっていくイメージに、私自身も大変ワクワクしました。

野辺山営農ソーラーについて

この場所は立川山荘からも近く、家族で訪れることもあります。今後も子どもたちとともに足を運びながら、地域の挑戦を継続して応援していきたいと思います。

営農型太陽光発電を単なる発電事業にとどめず、農地の再生、雇用創出、地域コミュニティの再構築へと発展させようとする若い農業者の強い志は、今後の地域生活を考える上でも大変示唆に富むものでした。

今回の二つの視察を通して強く感じたのは、分野は異なっても、いずれも「地域で支える仕組みをどう構築するか」という共通の課題に向き合っているという点です。地域の可能性は、制度そのものではなく、それを動かす人の思いと実践の積み重ねから生まれるのだと実感しました。今回の学びを、立川のまちづくりにもしっかりと生かしてまいります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。