鎌倉市「かまくらっ子発達支援サポーター」視察報告
発達支援は【特別】ではなく、【子どもたちの日常の中】にある。
鎌倉市福祉センターにて、こどもみらい部発達支援室長より、「かまくらっ子発達支援サポーター(かまサポ)」の取組についてお話を伺いました。

■ 思想から始まった制度設計
本事業の根底には、星山麻木先生の考え方があります。
支援は特別な場所に分けるのではなく、
子どもたちが日常を過ごす学校や園の中にこそあるべきもの。
その思想を、理念で終わらせず制度として形にしているのが鎌倉市の取組です。
■ 市民を育て、制度に乗せ、現場へつなぐ
発達支援サポーター養成講座は、当初は関係機関職員向けでしたが、平成30年度以降は市民にも拡大。
- 初級講座は無料
- 毎年約130名が受講
- 累計受講者は1,000人に迫る規模
多世代・多職種が学び、地域全体の理解を底上げしています。
さらに令和5年度からは、養成講座修了者を「会計年度任用職員」として配置。
ボランティアに頼るのではなく、持続可能な制度として学校や園へとつなげています。
まさに、市民を育て、制度に乗せ、子どもたちのいる現場へとつなぐ仕組みです。
さらに印象的なお話がありました。
あるお母さんが、「自分の子も、いま学校でかまサポさんにお世話になっている。そのことに感謝しながら、自分も養成講座で学び、別の学校で支援に入っています」と語られたそうです。
だからこそ、やさしい気持ちで子どもたちに向き合えるのだと。
支えられる側と支える側が循環する仕組み。
鎌倉市の取組の本質は、ここにあると感じました。
■ 「かまサポ」と「まなサポ」
鎌倉市では役割の異なる支援体制を整えています。
● かまサポ(こどもみらい部)
通常学級や幼稚園・保育所に入り、教室全体を支援。
環境を整えることで、担任の指導を支えます。
● まなサポ(教育委員会)
校内フリースペースに配置され、教室に入りづらい児童生徒を支援。
鎌倉市では、不登校傾向の子どもが安心して過ごせる校内別室機能を全小中学校で整備し、そこに必ず支援者が配置されています。
「部屋をつくる」だけでなく、「人を置く」ことで制度が機能している点が印象的でした。
■ 早期発見から日常支援までを一本で
年中児全員を対象とした「5歳児健やか相談」により、
発達の気づきの割合は11%から23%へ増加。
幼児期の気づき
→ 地域人材の育成
→ 学校・園での支援
→ 校内フリースペースでの支援
点ではなく、線でつながる体制が構築されています。
■ 所感
視察の中で、星山先生の講義の一部を拝聴する機会にも恵まれました。
会場には、真剣に耳を傾ける若いお母さんの姿があり、中には涙を拭いながら参加されている方もいらっしゃいました。
発達支援について「もっと早く知っておきたかった」という思いなのか、あるいはこれまでの不安や葛藤が少しほぐれた瞬間だったのか、、、その理由は分かりませんが、学びがお一人おひとりの心の深くまで届いていることを感じました。
ご紹介させていただいた鎌倉市の取組は、発達支援を特別なものにせず、子どもたちの日常の中に位置づける挑戦です。
理念と制度、そして子どもたち一人ひとりを大切にする大人の思いが循環する仕組み。
こうした実践が各自治体へと広がっていくといいなと感じています。
本市においても、発達個性の理解を広げることから現場支援までを体系化する仕組みづくりについて、粘り強く取り組んでいきます。

「一般社団法人 星と虹色な子どもたち」代表 星山麻木先生と
稲橋ゆみ子 立川市議会議員と。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。

