令和8(2026)年第3回定例会~決算特別委員会~

令和7年度決算審査|原ゆきの質疑と会派代表討論

市民の暮らしに届く市政になっているか

第3回定例会では、令和7年度一般会計・特別会計決算について、決算特別委員会で審査を行いました。

会派に割り当てられた225分という質疑時間を、決算特別委員会の委員となった4人のメンバーで分担して使い切りました。

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令和7年度は、第5次長期総合計画の初年度です。決算審査では、前年度に実施した事業の実績や予算の使われ方を確認するとともに、事業が必要な人に届いているか、現場の課題に対応できているかという視点から質疑を行いました。

今回は、私が取り上げた主なテーマと、会派「立憲ネット緑たちかわ」を代表して行った討論の要旨をご報告します。

1.原ゆきの質疑

就学前から小学校へ。切れ目のない発達支援を

5歳児相談などで把握した発達支援のニーズを、就学後の学校生活にもつなげたい。特に、保育園・幼稚園から小学校への移行期は、子どもにとって環境が大きく変わる時期です。入学後も安心して学べるよう、就学前から学校へのスムーズな接続を支える仕組みが必要だと考えています。

令和7年度は、5歳児相談の対象となる子ども557人のうち57人が就学支援シートの提出につながりました。また、就学支援シートの提出者は225人で、5歳児相談から就学支援シートにつながったケースは約4分の1に当たります。

そこで、5歳児相談で把握した支援ニーズをどのように就学支援につなげているのか、また、教育相談や児童発達支援センターなどとの連携をどのように進めていくのか質問しました。

市からは、保育園・幼稚園などからの情報提供や関係機関との連携を大切にし、就学支援シートなどを通じて学校につなげていくとの答弁がありました。

令和7年度には児童発達支援センターが設置され、保育所等訪問支援事業も始まりました。専門性を持った人材が現場に出向き、子どもの特性に応じた支援や助言を行う仕組みを、学校現場とも有機的につなげていくことが重要です。

今後は、就学前の支援機関と学校との連携を深めるとともに、幼児教育や療育などの専門性をもった方が小学校の教室を巡回して教員に助言(連携)するような取り組みも必要ではないかと考えています。これは矢川プラスへ視察に伺わせていただいたときに聞いた話で、アウトリーチの重要性をいま感じているところです。

通学支援が保護者任せになっていないか

障害のある子どもの通学支援については、保護者から、例えばお隣の国分寺市では特別支援教室に通う子どものための巡回バスが運行されていると聞き、立川市でもこうした取組ができないかと考えたことが、問題意識の出発点です。

立川市は、子どもの自立に向けた支援を大切にしています。しかし、自立を促すことと、安全に通学できる環境を整えることは、両立させなければならないと私は考えています。特に低学年の子どもに自主通学を求めることには、安全面から慎重な検討が必要です。

決算審査では、移動支援の利用実績や、通学を目的とした利用の実態について質問しました。

市からは、令和7年度の移動支援について、延べ2,631人の利用があり、実利用者数は379人との答弁がありました。一方、障害のある子どもの利用実態や、通学を目的とした利用の詳細については、十分に把握できていない部分もありました。これについては、そういった分野別の把握もしていくべきではと付言しています。利用実態の詳細を把握することが、今後の施策展開に役立つと考えるからです。実際に私のところには、「移動支援の利用範囲が広がり、通学でも可能となって期待したが、必要な時間帯に対応できるヘルパーが見つからず、利用することができない。結局自分が仕事を遅らせて送っていっている。」といった主旨のご意見が複数届いています。

移動支援などの制度があっても、ヘルパー不足などによって実際には利用できず、保護者が送迎を担わざるを得ないケースが常態化しています。制度上利用できることと、実際に利用できることは同じではありません。せっかく実施している素晴らしいサービスが、必要な人に届くよう体制整備してほしいと強く感じています。

子どもの学ぶ権利を保障し、家族だけに負担を背負わせないためにも、教育と福祉の担当部署が連携し、利用できない理由や現場の実態を把握した上で、通学を支える具体的な仕組みを検討するよう求めました。

基幹相談支援センターを、地域全体の支援力向上につなげる

令和7年度に開設された基幹相談支援センターについて、相談実績や支援内容、関係機関との連携について質問しました。

市からは、延べ378件の相談を受け付けたとの答弁がありました。福祉サービスの利用に関する相談のほか、介護保険と障害福祉にまたがる相談など、複合的な対応が必要なケースもあります。

基幹相談支援センターには、個別の相談に応じるだけでなく、地域の相談支援事業所を支え、関係機関をつなぐ役割も期待されます。

そこで、相談支援事業所への後方支援や人材育成、関係機関との連携をどのように進めているのか確認しました。

今後は、相談件数だけでなく、複雑な相談への対応や地域の相談支援体制の充実につながっているかという視点からも取組を検証し、必要な支援を進めることが重要です。

学校支援員・エデュケーションアシスタントの研修を充実させる

学校支援員やエデュケーションアシスタントは、子どもたちの学校生活を支える大切な存在です。一方、発達特性のある子どもへの対応など、現場で悩みながら支援に当たっている方もいます。

決算審査では、研修の実施状況や、具体的な対応方法を学ぶ機会について質問しました。

市からは、授業中の子どもとの関わり方や、困り事が生じた際の対応などについて研修を行っているとの説明がありました。

支援員が孤立せず、子ども一人ひとりに合った支援を行えるよう、実践的な研修や、経験・悩みを共有できる機会をさらに充実させることが必要です。

また、発達ピアサポーターなど、地域の人材が持つ経験や知識も生かしながら、学校現場と連携して支援の質を高めていくことを求めました。

教職員の働き方改革を、実効性のある取り組みに

教職員の働き方改革については、改訂された「立川市学校における働き方改革総合プラン」の進捗や、勤務実態の把握、健康確保の取組について質問しました。

市からは、時間外在校等時間について、月45時間を超える教員をゼロにすることなどを目標とし、月1回、校務システムを活用して勤務状況を把握しているとの答弁がありました。また、持ち帰り業務については、管理職への報告などを通じて把握しているとの説明でした。

しかし、勤務時間を把握するだけでなく、持ち帰り業務も含めた実態を適切に把握し、改善につなげることが重要です。

さらに、教職員の健康を守るためには、長時間勤務への対応や個人の健康相談だけでなく、職場全体の安全衛生について継続的に検討する仕組みも必要ではないでしょうか。

そこで、他自治体の取組について、令和7年度にどのような調査研究を行ったのか質問しました。市からは、多摩地区の市課長会などで情報を収集しており、運営委員会として実施している自治体もあるとの答弁がありました。

また、計画の実施状況について、令和7年度は検討にとどまり、令和8年度から総合教育会議で状況報告を行っているとの説明がありました。

教職員の健康と安全を守ることは、子どもたちの学びを支えることにもつながります。勤務時間の削減だけでなく、職場全体の安全衛生を検討し、必要な改善につなげる体制を整えるよう求めました。

学校行事に伴う保護者負担をどう考えるか

学校行事などで使用するバスの借り上げ料についても確認しました。

令和7年度決算では、教育事業事務のバス借り上げ料は約1,538万円となり、前年度の約638万円から増加しています。

市が負担するものには、水泳の委託や宿泊行事などに関するバス代がありますが、それ以外の校外活動などでは、保護者負担となる場合があるとの答弁でした。費用は学年の人数で割って負担する仕組みです。

行事の内容や学年によって保護者負担に差が生じることは、義務教育における費用負担のあり方という点でも考える必要があります。

そこで、学校管理職や教職員、保護者から、バス代の補助拡大を求める声が届いているか確認しました。市からは、担当課では直接そのような要望を把握していないとの答弁がありました。

要望が届いていないから必要性がないとは限りません。物価高の影響も踏まえ、学校や保護者の声を聞き、必要な支援について検討するよう求めました。

市営住宅の空き住戸を、必要な人に届ける

市営住宅については、空き住戸の状況や修繕の取組について質問しました。

令和7年度には19戸の修繕が行われましたが、空き住戸が7戸増えている状況も確認しました。

住まいに困っている方がいる一方で、空き住戸が活用されないままになっていることは、改善の余地があると考えます。

市からは、新たな取組として、若年夫婦向けの枠を設けて募集を行っているとの説明がありました。

今後は、修繕を計画的に進めるとともに、募集のあり方や住宅・福祉部門の連携を点検し、必要な方に住まいが届くよう、空き住戸の活用を進めることを求めました。

2.会派代表討論の要旨

財政運営と公共施設整備

会派「立憲ネット緑たちかわ」を代表し、令和7年度一般会計決算の認定に賛成する立場で討論を行いました。

令和7年度の一般会計歳出決算は約939億円で、前年度比2.1%増となりました。市税収入が約22億円増加し、経常収支比率が86.6%に改善したことは評価しました。

一方、実質収支は約57億円の黒字、不用額は約63億円となり、不用額は前年度より約11億円増加しています。資材や人件費の高騰、入札不調などによって、公共施設の建て替えや改修が計画どおりに進まなかったことも課題です。

決算剰余金の半分を財政調整基金に積み立て、資金の流れを明確にしたことは評価します。そのうえで、不用となった予算について適切に減額補正を行い、決算剰余金や実質収支が実態に沿った数字として、市民に分かりやすく公表されることを求めました。

子どもの権利を尊重した施策を

子ども食堂への補助制度の創設や、「こどもとおとなのはなしあいいin市議会議場」など、子どもの声を聞く取組を評価しました。

子どもを支援の対象としてだけでなく、自らの権利を持ち、考えを表す一人の市民として尊重することが大切です。子どもが自分の身体や気持ちを大切にし、他者の権利も尊重できるよう、年齢に応じた包括的性教育に取り組むことを求めました。

また、子どもから聞いた意見を施策にどう反映したのか、反映できなかった場合はなぜなのかを本人に伝え、子どもの声を市政全体に生かしていくことを求めました。

地域福祉と住まいの支援を充実させる

地域福祉アンテナショップが日常生活圏域の全6圏域に配置され、基幹相談支援センターも開設されたことを評価しました。

今後は、認知症カフェや市民活動、地域のサロンなど、多様な居場所がゆるやかにつながるよう、アンテナショップが情報共有の拠点として機能することが重要です。

また、高齢化に伴い、孤立や認知症など、さまざまな困り事を抱える方の増加が見込まれます。地域包括支援センターが身近な相談拠点として機能し続けられるよう、実態把握や人材確保への支援を次期計画に位置付けることを求めました。

住まいに困る方への支援についても、市営住宅の修繕や募集のあり方を点検し、居住支援協議会と住宅・福祉の各部署が連携して対応することを求めました。

学校現場を支える体制を整える

学校支援員やエデュケーションアシスタントの研修を充実させ、発達特性のある子どもへの実践的な対応を学び、悩みを共有できる機会を増やすことを求めました。

また、発達ピアサポーター養成講座の受講者と学校現場との連携についても検討し、担い手の確保と支援の質の向上につなげることを求めました。

教職員の働き方改革については、持ち帰り業務を含む勤務実態を把握し、計画の進捗を総合教育会議で共有するとともに、健康と安全を継続的に検討する体制を整えることを求めました。

さらに、学校用務員が災害時に果たす役割も踏まえ、直営で担う業務と採用・配置のあり方を検証すること、通学路の安全対策を地域の担い手不足も見据えて進めることを求めました。

エネルギーの地産地消を進める

環境分野では、市民電力の設立なども視野に入れ、エネルギーの地産地消を検討することを求めました。

地域で生み出したエネルギーを地域で使うことは、環境負荷の低減だけでなく、地域内の経済循環にもつながります。公共施設の省エネルギー化と再生可能エネルギーの活用も、引き続き進めるよう求めました。

決算審査を、これからの市政につなげる

第5次長期総合計画の初年度に、さまざまな取組が動き始めました。

これから問われるのは、その仕組みが必要な人に届き、地域の中で力を発揮するかどうかです。

決算審査で見えてきた課題を次の施策につなげ、市民の暮らしに根づかせていくために、これからも現場の声を大切にしながら、必要な改善を求めていきます。

市政についてのご意見やご要望も、ぜひお寄せください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。