令和8(2026)年第3回定例会文教委員会~子どもたちの学びを支える環境づくり~

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文教委員会では、学校教育や子どもたちの学びをめぐるさまざまな課題について、報告事項の確認と所管質問を行いました。

教職員の働く環境改善や部活動の地域展開、学校施設や学習環境のあり方などを確認するとともに、不登校の未然防止や多様な学びの場の確保、特別な支援を必要とする子どもたちへの対応などについて、課題意識をもって質問しました。

子どもたち一人ひとりが安心して学び、自分に合った支援を受けられる環境をどうつくっていくのか。今回の質疑で確認した市の方針や、今後に向けた課題をご報告します。

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報告事項について

1.教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価に関する報告書(令和7年度分)について

【資料はこちら】

教育委員会の事務管理・執行状況の点検評価

教育委員会の事務管理・執行状況の点検評価については、評価基準が分かりにくく、評価の違いが明確でないのではないかという点を取り上げました。評価項目を細かく分けるだけでなく、どこに課題が残っているのか、次年度の施策にどうつなげていくのかが重要です。評価が単なる実績の確認で終わらず、教育施策の改善に生かされるよう、今後も注視していきます。

教員の働き方改革

教員の時間外在校等時間について、月45時間を超える教員をゼロにする目標が掲げられています。令和7年度の実績は58.9%で、目標の達成には引き続き取り組みが必要な状況です。

質疑では、教員が自宅に仕事を持ち帰っている場合の勤務時間を、どのように把握しているのかを確認しました。市からは、持ち帰りの状況は校長の許可を得る運用としており、自宅での勤務については、教員が自己申告で退勤時間などを入力し、勤務時間の変更に対応しているとの説明がありました。一方で、自宅での業務時間を正確に把握することには難しさもあるとの認識が示されました。

学校での勤務時間だけでは、教員の仕事の実態を十分に捉えられない可能性があります。持ち帰りの勤務実態を正確に把握した上で、業務の見直しや負担軽減につながる対策を進めることが必要だと考えています。

AIドリルの活用状況

AIドリルについて、学校ごとの活用状況や、学習成果の分析について質問しました。

市からは、1学期に校長先生方とヒアリングを行ったところ、半数以上の学校で活用が進められているとの説明がありました。一方、学校によっては学年を指定して紙のドリルなどを使っており、AIドリルの活用状況には差があります。各学校では、成果や課題を見極めながら分析しており、今後は学校ごとの情報を共有していく考えが示されました。

ICT教材はそれ自体が目的なのではなく、子どもたちの学びにどのような効果があるのか、活用が進んでいない学校にはどのような課題があるのかを共有し、教育の質の向上につなげていくことが大切だと考えています。

不登校支援・相談体制

不登校の児童・生徒が増加傾向にある中、学校だけでなく、教育支援センターや福祉、民間支援なども含めた取り組みを、どのように連携させていくのかを確認しました。

市からは、不登校対策は教育振興基本計画の施策の一つとして位置づけられており、今後も各地区の取り組みを研究しながら施策を検討していくとの説明がありました。また、相談体制については、市の教育相談に加え、東京都のSNS相談や心理的な内容についての相談、タブレットに掲載した相談窓口などを案内しているとのことでした。

相談できる窓口が増えることは前進ですが、必要なときに子ども自身が相談先を知り、支援につながれることが重要です。情報提供にとどまらず、実際に相談につながっているかという視点も大切にしたいと考えます。

特別支援学級への就学・転学相談

特別支援学級への就学相談や転学相談の状況について、相談件数が増えている背景や、児童・生徒の状況をどのように把握しているのかを質問しました。市からは、相談件数の状況や、学校での様子を踏まえた説明がありました。

子ども一人ひとりの特性や学習上のニーズは異なります。相談件数の増減だけでなく、どのような支援が必要とされているのかを丁寧に把握し、適切な学びの場につなげていくことが重要です。

教員の専門性向上と情報共有

特別支援学級に在籍する児童・生徒が増えていることを踏まえ、教職員の専門性の向上や、学校間での情報共有について確認しました。

これまで、現場の先生方から、特別支援教育を担う教員同士で集まり、実践や課題を共有する機会がほしいという声が寄せられており、そういった場が必要ではないかと私自身提案していた経緯があります。今回の委員会での答弁から、教育委員会が主導して教員同士の連絡会を設けたことが分かり、現場のニーズに応える取り組みとして評価しています。

連絡会では、特別支援教育に関する教材を活用した情報共有や事例研究などが行われています。一方で、教員同士が継続的に集まり、情報を共有する機会をどう確保していくかは、引き続き課題として挙げられました。

今後も、現場の声を大切にしながら、教員同士が学び合い、支援の質の向上につながる取り組みが進むことを期待しています。

2.第二小学校複合施設整備事業における実施設計等の概要について

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第二小学校の複合施設整備にあたり、新たに設けられる地域交流スペースについて、地域の声をどのように反映し、どのように活用していくのかを確認しました。

市からは、地域交流スペースは市民協働課が所管しており、地域からの意見も把握しているとの説明がありました。今後の運用については、地域の方々にも説明しながら調整を進めていくとのことです。

施設を整備しても、利用方法が分かりにくかったり、地域のニーズに合っていなかったりすれば、十分な活用の期待はできません。地域の声を聞きながら、子どもたちと地域の人々がつながる場として活用されることを求め、今後も見守っていきます。

3.中学校部活動の地域連携・地域展開に関する推進計画(素案)

【概要版はこちら】

【素案はこちら】

部活動の地域連携・地域展開については、令和8年度から令和13年度までの6年間を計画の実行期間とし、前期3年間・後期3年間に分けて取り組みを進める方針が示されました。市は、生徒の豊かな学びと成長を優先し、持続可能な活動体制の構築を目指しています。

質疑では、拠点校方式で活動する部活動を3部活動以上とする考え方や、学校を越えて活動する際の移動、指導者の配置、教員の負担などについて確認しました。

市からは、北部・中部・南部という地域の視点を踏まえて拠点校方式を検討しているとの説明がありました。ただし、すべての部活動を一律に拠点校方式とするのではなく、合同部活動や地域クラブ活動など、複数の方法を組み合わせながら、地域の実情や生徒のニーズに合った体制を整えていく考えが示されました。

また、教員の負担軽減に向けて、部活動指導員の活用も進めていくとのことです。今後の具体化にあたっては、活動場所や移動の負担、安全面なども含め、生徒にとってよりよい仕組みとなるよう、引き続き注視していきます。

4.小学校水泳授業における民間等屋内プールの活用について

【資料はこちら】

小学校の水泳授業で民間の屋内プールを活用する取り組みについて、冬場の授業における児童の健康管理や、施設への移動に伴う負担、保護者の不安などを取り上げました。

市からは、実施時期や施設の利用条件、安全指導などについて説明がありました。一方、冬季の授業では、濡れた髪のまま帰校することや、移動時間が授業や学校生活に与える影響など、保護者が心配する点もあります。

民間施設の活用によって年間を通じた水泳授業が可能になるとしても、それだけでなく、児童にとって望ましい学習環境になっているかを確認することが大切です。実際の授業を通じて、子どもたちの健康と安全、授業の質、移動の負担などを含めて検証していく必要があると考えます。

5.学校給食東共同調理場会議室の夏休み学習スペースとしての提供について

【資料はこちら】

以前一般質問で、子どもたちが安心して活用できる学習スペースの拡充について取り上げたことがありますが、この夏、学校給食共同調理場の会議室を夏休みの学習スペースとして開放するという新たな取り組みが行われ、報告されました。

市から示された資料では、29人の延べ利用者のうち26人が中高生で、小学生の利用は少なかったとのことです。利用時間は午前9時から正午、午後1時から4時までで、昼食をとることはできない運用でした。

市からは、給食調理場は衛生管理が求められる施設であり、食事をできる場所としての提供は難しいこと、また今回は試行的な取り組みとして実施したとの説明がありました。今後については、利用者の傾向も踏まえ、学習スペースの提供をどのように進めていくか整理していくとのことです。

今回の取り組みを検証し、子どもたちが使いやすい学習環境の確保につなげてほしいと考えます。

立川市の学校給食調理場では、不登校の子どもたちむけに、学校に行きづらさを感じていても調理場の一室で給食を食べることができる取り組みも行っており、地域の居場所づくりに寄与しています。

今回の夏休み学習スペース拡充もきっかけとして、市内にさらに子どもたちの多様な居場所が増えていくことを願ってやみません。

所管質問~子ども一人ひとりに合った学びと支援を~

今回の文教委員会では、不登校の未然防止から、多様な学びの場の確保、障害や発達特性のある子どもへの支援、地域人材の活用まで、学校教育をめぐる4つの課題について所管質問を行いました。

共通しているのは、制度や支援の仕組みを整えるだけでなく、必要としている子どもたちに、実際に支援が届いているかという視点です。

他自治体の取り組みも参考にしながら、立川市の現状と今後の方向性について確認しました。

1.不登校の未然防止に向け、Q-Uアンケートをどう生かすか

不登校の児童・生徒が増加する中、子どもたちの心理状態や学級の状況を把握する「Q-Uアンケート」を、実際の支援にどうつなげているのか質問しました。

市からは、調査結果をグラフ化し、教員が子どもたちの学校生活への満足度や学級の状態を分析するとともに、校内研修などを通じて学級づくりに活用しているとの説明がありました。

質疑では、国立市の「国立プロジェクト」を紹介しました。同市では、教員の分析力を高める研修などに取り組んでいます。中学校の不登校率が令和3年度を境に全国平均を下回ったことも参考事例として取り上げ、調査結果を分析する力を高め、具体的な支援につなげることの重要性を伝えました。

また、子どもが話したい教員を選んで対話する、国立市の「おしゃべりウィーク」も紹介しました。

アンケートは、実施して結果を確認するだけでは十分ではありません。数値に表れた子どもの変化やSOSの兆しに気づき、必要な支援につなげることが大切です。教員の分析力を高めるとともに、子どもが安心して過ごせる学級づくりに生かされるよう、今後も取り組みを注視していきます。

2.不登校の子どもに、居場所と多様な学びの選択肢を

不登校の子どもへの支援については、教育支援センター、スクールソーシャルワーカーによる家庭訪問、校内の別室教室など、個々の取り組みを進めるだけでなく、相互に連携させることが重要だと考え、質問しました。

まず、東京都が設置を進める「チャレンジクラス」について、立川市での設置に向けた検討状況を確認しました。市からは、都の事業を踏まえ、市内の学校も含めて検討しているとの説明がありました。

設置に当たっては、場所や人員の確保だけでなく、子どもの状況に応じた柔軟な教育課程や生活時程なども重要になります。子どもが自分に合った環境で学べるよう、具体的な検討が進むことを求めました。

さらに、不登校の子どもがオンライン上で学びや交流の機会を得られる「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム」について、利用状況や効果を質問しました。

市からは、令和8年8月末時点でアカウント配布数は8人、利用者は1人との説明があり、小学生への展開にも取り組んでいるとのことでした。

利用できる仕組みがあっても、必要な子どもに知られていなかったり、実際の利用につながっていなかったりすれば、支援として十分に機能しているとはいえません。利用が伸びていない背景や、子どもにとっての使いやすさ、実際の効果を検証する必要があります。

学校に通うことだけを前提とせず、子どもの状況に応じて安心して過ごせる居場所と学びの選択肢を確保すること。そのためにも、学校・家庭・福祉などの関係機関が連携し、支援を必要とする子どもにつながる仕組みを充実させるよう求めていきます。

3.インクルーシブ教育を支える、必要な人的支援を

障がいや発達特性のある子どもが、通常の学級を含め、それぞれの学びの場で必要な支援を受けられる体制について質問しました。

特に、通級による指導が終了した後も継続的な支援が必要な子どもや、通常の学級に在籍しながら学習面・生活面で支援を必要とする子どもへの対応を取り上げました。

市からは、学校支援員の配置や、東京都のインクルーシブ教育支援員配置補助事業などを活用して支援を進めているとの説明がありました。

質疑では、府中市の「合理的配慮支援員」の事例を紹介しました。障がいのある子どもが学校生活を送る上で必要な、読み書きの補助や教員の指示を理解するための個別の支援などを行う取り組みです。

こうした事例を踏まえ、立川市でも、支援員が配置されている時間だけでなく、それ以外の時間も含め、必要な合理的配慮が提供できているのかを検証する必要性を指摘しました。

保護者からは、支援員の配置を希望していても十分な支援につながらないという声が届いています。また、支援に携わる方々からも、困っている子どもがいても十分に寄り添えないという声があります。

教員や支援員の努力だけに頼るのではなく、子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた人的支援を確保することが重要です。市からは、学校支援員の配置に係る予算の拡充など、支援の充実を図っているとの説明がありました。

今後も、配置人数だけでなく、必要な支援が実際に届いているかという視点から、現場の実態を踏まえた体制づくりを求めていきます。

4.地域の力を学校教育に生かす仕組みづくり

学校現場で支援を必要とする子どもが増える中、教員だけで対応するのではなく、地域の人材も活用して子どもたちを支える仕組みについて質問しました。

質疑では、会派視察で確認した八王子市の学校サポーターの取り組みを紹介しました。同市では、地域住民などが特別支援教育の基礎知識や支援方法を学ぶ養成講座・認証制度を設け、学校や地域で活躍できる人材を育成しています。

この事例を踏まえ、立川市でも地域人材を活用して学校教育を支える仕組みを充実させられないか、市の見解を質しました。

市からは、地域人材による学習支援の事例を共有するとともに、学校支援に関する研修も実施しているとの説明がありました。

地域人材の活用は、学校の支援体制を充実させるだけでなく、地域全体で子どもを支えることにもつながります。一方で、人材を確保するだけでは十分ではありません。必要な知識や技能を学ぶ機会を設け、学校のニーズに応じて継続的に活躍できる仕組みを整えることが重要だと考えています。

教員だけに負担が集中することなく、学校・家庭・地域がそれぞれの力を生かしながら、子どもたちを支えられる環境づくりを求めていきます。

委員会を振り返って

今回の委員会で取り上げたのは、教職員の働く環境改善、不登校の未然防止、多様な学びの場、特別な支援を必要とする子どもへの対応、そして地域と学校の連携です。

どの課題にも共通するのは、制度や仕組みを整えることに加え、それが現場でどう機能し、子どもたちにどのような変化をもたらしているかを確かめる必要があるということです。

子ども一人ひとりの状況や思いに目を向け、必要な支援につながる教育環境をつくるため、引き続き現場の声を大切にしながら取り組んでいきます。

市政に対するご意見や、学校生活を通じて感じていることなど、ぜひお聞かせください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!