けやき台団地地区地区計画 一団地の住宅施設の変更及び地区計画について
けやき台団地地区では、けやき台団地地区地区計画を定めています。
詳しくは、立川市ホームページをご覧ください。
Topics
背景と経緯
団地の建て替えにあたり現在決定されている「一団地の住宅施設」を廃止し、新たに「地区計画」を策定し移行することになった背景と経緯についてご紹介できればと思います。
・一団地の住宅施設「けやき台第一(けやき台団地)」は、昭和40年11月11日に都市計画決定され、この計画書に基づき、けやき台団地、けやき台小学校及びすずかけ通り等が整備されている。
・けやき台小学校は、平成30年4月に隣接する若葉小学校と統合され、令和3年4月から若葉台小学校となっている。
・けやき台団地は建物の経年劣化や耐震性の不足から、管理者であるUR都市機構により建て替え計画されている。
・平成30年度にUR都市機構は賃貸住宅ストック活用・再生ビジョンを策定し、けやき台団地はストック再生に位置付けられている。
・令和元年7月にUR都市機構が開催した地元との勉強会では、耐震性が不足する10棟の建て替えを行う方針が示されている。
けやき台団地地区地区計画について
①地区計画の目標
【本地区の背景】
・立川市都市マスタープランにおいては、本地区周辺は、五日市街道のケヤキ並木をはじめ、生産緑地や屋敷林等が広く分布しており、武蔵野の面影を残す緑を保全しながらうるおいのある住宅地の形成を図るとしている。
・五日市街道および立3・4・15号すずかけ通り線沿道部分においては、後背地の住環境に調和した沿道型市街地形成を図り、計画的な住宅更新の誘導による良好な住環境の保全を図ることとしている。
・立川市第4次住宅マスタープランにおいても、良質な住宅ストックの形成・維持に向け住宅団地の更新等に対する誘導及び支援を行うこととしている。
【地区計画の目標】
・本地区計画では、老朽化した住宅団地等の建替え等を適切に誘導し、多世代のつながりが続く安心して暮らせる住環境の形成を図る。あわせて、周辺市街地環境との調和に配慮した、豊かな緑によるうるおいやゆとりのある良好な住環境の維持・保全を図る。
・住宅地区A及び住宅地区Cの建替え計画の熟度に応じて、計画的かつ段階的に地区計画の見直しを行っていく。
②土地利用の方針
●住宅地区A
周辺市街地環境との調和に配慮し、現状の良好な住環境を維持・保全する。五日市街道および立3・4・15号すずかけ通り線沿道部分においては、後背地の住環境に調和した沿道型市街地形成を図る。
●住宅地区B
老朽化した住宅の建替えにより、バリアフリー対応など多世代がつながるコミュニティに資する多様な住宅等を供給し、周辺との調和に配慮したゆとりのある良好な住環境の形成を適切に誘導し、一部を広場・オープンスペースとして整備することにより、コミュニティ形成や防災等に資する土地利用を図る。また、住宅地区Cの一部とともに日常生活を支える機能の一部を担う。
●住宅地区C
周辺市街地環境との調和に配慮し、現状の良好な住環境を維持・保全する。将来の建替え等においては、周辺市街地との調和に配慮し、新たな地域ニーズに対応した子育て支援や高齢者支援などの機能導入等を図り、住宅地区Bの一部とともに日常生活を支える機能を集積する。また、バスネットワークの拠点となる交通広場を整備する。
●公共公益施設地区
周辺市街地環境との調和に配慮し、現状の良好な教育環境を維持・保全する。また、学童保育所と複合化した小学校と地域が連携できる交流空間を備える。
③地区施設(道路)について
■地区施設の整備の方針(1)
地区内の道路は、周辺道路とのネットワーク形成や交通の円滑化、地域住民の安全性と生活利便性の確保などを図るため、地区幹線道路及び街区幹線道路、区画道路を配置する。また、本地区南端に位置する団地入口の顔となる、交通広場を地区施設として配置し、若葉町一丁目周辺地域のバスネットワークの拠点にふさわしい設えとする。
③ー1地区施設(公園)について
■地区施設の整備の方針(2)
住民のやすらぎと憩いの場やコミュニティ形成、災害時における避難場所等機能に資する既存の公園を維持保全していくとともに、住宅地区Bに新たな公園を配置する。
③ー2住宅施設(広場)について
■地区施設の整備方針(3)
住民のやすらぎと憩いの場である既存の広場を維持保全していくとともに、住宅地区Cに新たな広場を設け、豊かな緑とオープンスペースを確保する。公共公益施設地区北側の立3・4・15号すずかけ通り線沿道部分においては、小学校の通学路の安全性を高めるほか、地域の交流空間となる広場を設ける。
③ー3地区施設(通路)について
■地区施設の整備の方針(3)
地区内及び周辺との主要な通路において円滑な交通ネットワーク形成を図るため、コミュニティ拠点や住棟へのアクセスに配慮し、団地内歩行者ネットワークの中核となるコミュニティ通路1号、通路1号及び2号を地区施設に位置付ける。
③ー4地区施設(緑道・環境緑地)について
■地区施設の整備の方針(4)
これらの歩行者動線等(通路等)はバリアフリーに配慮した快適な歩行空間とし、緑豊かなうるおいある空間として有機的に結ぶため、また、民有地と直接接する地区外周部には現在の良好な住環境に配慮するため、緑のネットワークを形成する緑道や環境緑地を配置する。
④建築物等の制限について
【建築物等の整備の方針】
①ゆとりある良好な住環境の維持と、適正かつ合理的な土地の有効活用を図るため、建築物等の用途の制限、建築物の容積率の最高限度、建築物の建ぺい率の最高限度、及び建築物の敷地面積の最低限度を定める。
②ゆとりある沿道空間の確保や、周辺の住環境に配慮した土地利用を図るため、壁面の位置の制限、壁面後退区域における工作物の設置の制限、建築物の高さの最高限度を定める。
③周辺環境と調和した秩序ある街並み形成を図るため、建築物等の形態又は色彩その他の意匠制限、及び垣又はさくの構造制限を定める。
■建築物の用途の制限
次に掲げる建築物は建築してはならない。
【住宅地区A・B・C共通】
①小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、専修学校その他これらの類するもの
②神社、寺院、教会その他これらに類するもの
③公衆浴場
次に掲げる建築物以外は建築してはならない。
【公共公益施設地区】
①小学校
②学童保育所その他これらに類するもの
③その他公益上やむを得ないと市長が認めるもの
■容積率の最高限度
住宅地区A:60%
住宅地区B:150%
住宅地区C:60%
■建ぺい率の最高限度
住宅地区A:20%
住宅地区B:50%
住宅地区C:20%
■敷地面積の最低限度
住宅地区B・C:1,000㎡
※ただし書き規定あり
■建築物の高さの最高限度
住宅地区A・C:15m
※住宅地区Bは、高度地区による絶対高さ25mを適用するため、地区計画には記載しない。
■建築物の形態又は色彩その他の意匠の制限
建築物等の形態、色彩及び意匠は、立川市景観計画の定めるところによる。特に建築物の形態及び意匠については、周辺の環境と調和した落ち着きのあるものとし、周辺の都市施設からの見え方に配慮した良好な景観の形成に努める。
■垣又はさくの構造の制限
道路、広場等に面して設ける垣又はさくの構造は、生垣又はフェンスなど透視可能なものとし、視線や空間の開放性や連続性に配慮する。ただし、建築物の保安・管理上やむを得ないと市長が認めるものはこの限りではない。
⑤その他当該地区の整備、開発及び保全に関する方針について
・方針附図に示す範囲において、壁面選の位置を制限する。
・住宅地区Aの五日市街道沿道については、緑道を配置することで緑豊かなうるおいある歩行空間を確保する。
・通路1号及びコミュニティ通路1号の沿道や、住宅地区Cの南東部外周部に環境緑地を配置する。
・地区内における既存樹木等は適切に管理するとともに、建築物等の壁面も含め積極的な緑化を図る。
説明会開催時の主な質疑と回答
一団地の住宅施設の変更及びけやき台団地地区地区計画の都市計画原案説明会は、若葉台小学校すずかけホールにて2024年・令和6年1月に開催されました。
Q.平成21年2月に策定した「立川市における一団地の住宅施設の都市計画の見直し方針」の内容を分かりやすく説明してほしい。
A.国土交通省の方針と同様に、「一団地の住宅施設」という都市計画を廃止して、その同じ区域に新たに「地区計画」という都市計画を決定することが望ましいという考え方です。
Q.今回の建て替え計画はいつ決まったのか。
A.けやき台団地の建て替え計画は、平成30年度にUR都市機構から示されました。これを受けて、市は一団地の住宅施設から地区計画に移行するという決定をしました。
Q.新たに建てる建物の具体的な形は決まっているのか。
A.設計から工事までUR都市機構が行います。市に対して、現時点ではUR都市機構から明確な提示はありません。
Q.現存する管理事務所や郵便局、集会所、診療所などの施設は、建て替え後はどうなるのか。
A.今回は、住宅地区Bのみ先行して建て替えをする計画です。管理事務所などの施設は、先行区である住宅地区Bに一部を移設し、建て替えを段階的に進めていく計画になっています。
Q.団地の敷地内に現存する通路や緑地、緑道などの整備時期は。
A.先行して建て替えをする住宅地区Bは、新たに建物を建築する際に整備する計画となっています。住宅地区Cや住宅地区Aは、現存する通路や緑地などは当面変わりません。
Q.交通広場(バス停)の位置は変わることもあるのか。
A.交通広場の位置は変わりません。
Q.広場4号の位置は変わることもあるのか。
A.広場4号は。後工区である住宅地区Cに位置します。そのため、今回計画では、概ねの位置に現在の公園と同等程度の広場を確保することを定めています。今後、住宅地区Cの建て替え計画が具体化された際に、広場4号の位置を明確に定めることになります。
Q.市は、10~15年後けやき台団地に対してどのような考え方をもっているのか。
A.UR都市機構からは、将来、この地域に子育て支援機構を導入したいという考えをもっていることなどを伺っております。市としましても、けやき台団地は、多くの世代が交流できるような団地に再生していく必要があると考えています。
Q.建て替えや団地の再生を進めるにあたって、立川市とUR都市機構とで経済的なフォローを考えていただきたい。
A.家賃等の経済的なご意見があったことにつきましては、けやき台だんちの管理及び所有者であるUR都市機構へお伝えいたします。
Q.計画書や計画図はどこで見ることができるのか。
A.縦覧期間中におきましては、市のホームページにてご覧いただくか、又は、都市計画課の窓口にてご覧になることができます。
資料は、立川市都市計画審議会の配布資料から引用しております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【参考】