2024年第2回定例会ご報告~一般質問~
一般質問で行った質問をまとめました。
関心のあるトピックをクリックしてお読みいただければと思います。
※記事は概要です。質問の様子は以下をクリックしてご覧いただけます。
Topics
テーマ1「子どもたちの主体性を支える学校教育を」
Q.グローバル化の進展やAIなどの分野における絶え間ない技術革新等により社会の在り方は大きく、そして急速に変化しており、将来を予測することが困難な時代を迎えている。こうした時代を生きていく子どもたちは、未知の場面や状況にあっても自ら課題を発見し、自分の強みを活かし、他者とも協働しながら課題解決に向けて主体的に判断し、自らの考えを表現していく力が求められている。
こうした力を子どもたちが身に付けるには、これまでの学校教育における学びの姿も進化していかなくてはならない。現行の学習指導要領においては、「主体的・対話的で深い学び」の視点から、これからの時代に必要な資質・能力を育成していく旨を明らかにしている。
一方、子どもたちの状況に目を向けると、社会の変化の中で、その多様性が顕在化してきている。例えば、特別な支援を要する児童生徒や外国籍をもつ児童生徒が増加しているほか、学校になじめず不登校となっている小中学生の数が2023年公表時点で、前年度から5万人以上も増えて過去最高の29万人に及んでおり、子どもたちの学習の進度や学び方の特性、その興味・関心も一人一人の様子が大きく異なる状況にある。
これからの学校には、こうした多様な子どもたちを受け止める柔軟で包摂的な教育課程を編成していくことが求められているとも言える。こういった状況下にあって、立川市としては子どもたちの主体性をどのように捉え、どう育んでいくと考えているか。
A.急激な少子高齢化が進む中で、成熟社会を迎えた現在においては、児童生徒一人ひとりが持続可能な社会の担い手として、その多様性を原動力として質的な豊かさを伴った個人と社会の成長いつながる新たな価値を生み出していくことが期待されている。
本市の学校教育においても、子どもたちが様々な変化に積極的に向き合い、他者と協働して課題を解決していくことや、様々な情報を見極めながら概念的な理解を深め、情報を再構築していくなど新たな価値につなげたり、複雑な状況変化の中で目的を再構築したりすることなどを通して、子どもたちの主体性を育んでいる。
不登校支援について
Q.前回の私の一般質問において、「不登校児童生徒が学校以外の施設において相談指導を受ける場合、当該施設への通所等が学校への復帰を前提とし、かつ児童生徒の自立を助ける上で有効適切であると判断された場合、学校長は出席扱いとすることができる」との答弁であったが、フリースクールへの通所が「出席」扱いとなる具体的な中身についてお示しを。
A.フリースクール等へ通所する際の出席の取り扱いというところで、出席にあたっての判断としては、児童生徒のフリースクールでの取り組みの内容が、個々の児童生徒にとって適切であるか、それを校長と教育委員会との十分な連携を取った上で、判断している。
Q.この判断というのは、学校長の判断か、市で統一しているのか。
A.個々の事例が異なっているため、個別具体の基準について、ここでお示しすることはできないが、やはり実情に応じて校長と教育委員会の間で綿密な調整をした上での判断となっている。
Q.立川市の不登校支援としては、登校や学校への復帰を最終的な目的としているのか。
A.不登校の要因は、様々な状況が複雑多岐にわたっている。中には、社会的な自立に向け懸命に努力をしている児童生徒もいる。
児童生徒一人ひとりの状況や周りの環境等を丁寧に把握し、その子どもにとって、より適切な支援をしていくことが大切であると考えており、市として不登校の児童生徒に対し、一律に学校への復帰を目的としていることはない。
Q.文科省の過去の通知からも、必ずしも学校に復帰することを目的としていなくても、本人が自らの進路を主体的に考えていたり、社会とのつながりを求めてフリースクールへ通っていたりする場合には、「出席」として認められると言い換えることができると考える。立川市の不登校支援として、登校や学校への復帰を目的とせずとも、多様な教育機会の確保法の観点からも、今後も幅広く「出席」を認めていただきたいと考えるが。
A.今後もフリースクール等での取り組みの内容が個々の児童生徒にとって適切であるかどうかについて、校長と教育委員会とで十分連携をとって、出席の取り扱いについて判断していく。
Q.次に、教育支援センターの利用について聞く。柏小学校内にある教育支援センター「おおぞら」は、小学生対象ということもあり、保護者の同伴でないと通えないということ、あるいは錦学習館2階にある教育支援センター「たまがわ」は、立川駅南口から徒歩で行くにも距離があることから、砂川地域を含む立川市の北部地域に住んでいる生徒が入室していてもなかなか通いにくく、行きたいと思っても行けない日があるとの利用者の方からのご意見を伺った。こういった課題点についてはどのように捉えているか。
A.教育支援センターを利用したいと考える児童生徒や、その保護者のニーズに柔軟に対応していくとともに、校内別室での支援を充実させ、教育支援センターだけでなく、学区内の場所で適切な支援を受けることができるようにしていく。
Q.実情に合ったかたちで引き続き応援体制を強化していただきたい。また、公設民営のフリースクールを設置する自治体があり、子どもたちの学びの多様化や教育機会確保の観点からも、全国や東京都よりも不登校の出現率の高い立川市としては、こういった施設の設置も視野に入れていく可能性があるか、聞く。
A.現在、市としては公設民営のフリースクールの設置は考えていない。引き続き、校内別室等による支援のより一層の充実を図っていく。
Q.校内別室指導を充実していくことも大事な施策の一つ。ただ、公設民営フリースクールや学びの多様化学校など、現状行っていない支援体制についても積極的に検討していっていただきたい。東京都がフリースクールの協力金を補助金と名前を変えて月2万円の補助をしている。こういった情報は、不登校児童生徒の家庭へ届いているか。
A.東京都のフリースクールに係る昨年度の補助金制度については、学校と保護者とで連携し、周知なども含め適切に対応している。今年度については、東京都からの通知が現時点で届いていなkが、東京都から発出される通知に基づき、引き続き、適切に対応していく。
Q.発達特性や二次障がいなどで、学校などの別室登校や教育支援センターなどの学校や公的な支援を利用したくてもできない、フリースクールも利用できない、家以外に過ごせる場所の選択肢がない児童生徒に対して、支援対象に入っているのか、どのような応援が検討できるのか。
A.学校や教育支援センター等につながっていない児童生徒やその保護者に対する支援として、市に配置しているスクールソーシャルワーカーの派遣による対応も実施している。
校則見直しを子ども主体に考える
Q. 近年、ツーブロック禁止、下着の学校色の指定などのいわゆる「ブラック校則」が問題視されるなかにあり、文部科学省は「校則見直しプロジェクト」を提唱している。児童生徒や保護者の要請に基づいて見直しを実施するだけでなく、定期的な見直しも実施し、より過ごしやすい学校生活の実現を図るねらいがある。現状、市内公立中学校全てに校則があるのか。
A.それぞれ名称は各学校によって異なるが、市内中学校全校で、校則は定められている。
Q.文科省は2022年12月、教員が生徒指導を行う際の手引書となる「生徒指導提要」の改訂版をホームページで公表し、全国の教育委員会に周知した。髪型や服装に関する不合理な校則が問題視される中、児童生徒の意見を聞きながら時代に合わせて見直すことを促しました。児童生徒が校則について議論することは「ルールを無批判に受け入れるのではなく、その根拠や影響を考え、身近な課題を解決する教育的意義がある」と説いている。変更したい校則についてクラスで話し合ったり、入学予定者にも説明の場を設けたりするなどの取り組み例なども提示している。立川市としての取り組みを聞く。
A.改訂された生徒指導提要を踏まえ、各学校に対し、校則の見直しを求めた。そのことに基づき、全校において校則の変更や運用等について見直しを図った。また、年度当初には、生徒や保護者に対し、学校の決まりについての指導や説明等を行っている。
Q.立川市の中学校のホームページをいくつか見てみましたが、校則やその見直しなどについて確認できない学校があった。「校外の人も目にできるよう、校則を学校のホームページに公開することや、制定や見直しをした背景も示すことが適切」だと文科省も示している。全校公開に向けての検討や制定した背景も広く周知を行うなどの取り組みも行うことが好ましいと思うが。
A.現在、市として一律に校則を学校ホームぺージに掲載することを求めていないが、校則について広く市民等から理解を得られるよう、校長会でも働きかけていく。
ESD(持続可能な開発のための教育)で子どもたちの声を社会へ
Q. ESDとは、エデュケーション フォー サスティナブル デヴェロップメントの略で「持続可能な開発のための教育」と訳されている。今、世界には気候変動、生物多様性の喪失、資源の枯渇、貧困の拡大等人類の開発活動に起因する様々な問題がある中で、ESDとは、これらの現代社会の問題を自らの問題として主体的に捉え、人類が将来の世代にわたり恵み豊かな生活を確保できるよう、身近なところから取り組むことで、問題の解決につながる新たな価値観や行動等の変容をもたらし、持続可能な社会を実現していくことを目指して行う学習・教育活動ということで定められている。つまり、ESDは持続可能な社会の創り手を育む教育ということ。立川市でのESDの取り組みについて、聞く。
A.現行の学習指導要領では、「持続可能な社会の創り手の育成」が掲げられており、この学習指導要領に基づいた教育を実施することにより、ESDの考え方に沿った教育を行っている。具体的には、小学校の社会科や中学校社会科の公民分野において、持続可能な社会の実現に向けた内容や、持続可能な社会の形成者として社会の課題を自分事としてとらえ、その解決策を探求する学習などをしている。
Q.ここで多摩市の事例をご紹介させていただきたいのですが、多摩市は2009年度から、「2050年の大人づくり」をスローガンにESDを推進している。市内の全小中学校がESDの推進拠点であるユネスコスクールに加盟し、各学校の特色や地域性を生かすとともにSDGsを踏まえたESDを実践しており、「多摩市子どもみらい会議」というイベントを毎年開催していている。会議は学校区ごとに、代表者による学校の取り組みの発表から始まり、その後、ESDの取り組みから学んだことを基にして多摩市役所職員とともに、今から「2050年の多摩市のために私たちにできること」を考え、提言とメッセージを発信、子どもたちの発表の後には、多摩市の市長からも「私たち大人が、皆さんからいただいたことをしっかりと受け止めて、実現、実行していかなければならないと感じました」というメッセージが寄せられた。このように、地域の首長に政策を提案できる公の機会があるということは、まさに子どもの権利のなかの、子どもが関わる施策には子どもの意見を反映する「意見表明権」、あるいは自分に関わることに参加することができる「参加する権利」を保障し進める取り組みを体現しているものであると捉えている。立川市では子どもの声を生かす取り組みの一つとして、子どもとおとなの話し合いイン市議会議場が行われており、現在参加は各学校で呼びかけ、希望のあったグループ単位の提案を扱っている。この取り組みをさらに発展させることはできないのか。
A.教育分野での取り組みとして、本市では教科化した「立川市民科」の取り組みの充実を図っている。各学校では、それぞれの学校の地域特性等に応じた立川市民科の取り組みは、「立川市民科公開講座」として、保護者や地域の方にも広く発信しているところ。
Q.立川市市民科での取り組みをさらにまちづくりへと発展できないか。例えば、発表の内容に関連する部署の市職員がその発表を聞きに行く、ということだけでもはじめは良いのでは。2023年施行された子ども基本法は子どもの権利保障を軸としている。中でも、行政の取り組みとして求められる、子どもの意見表明権、参加する権利を保障するために、子どもたちの声を行政に取り組む方策について、今後の見通しは。
A.毎年実施している教育フォーラムにおいても、学校の取り組みについて広く市民に発信する取り組みとして位置付け、継続して実施している。
子どもたちの声を聞く、まちづくりに活かしていくなど、いま、これからの社会に求められていることに取り組むには、すでに教育課程が盛りだくさんの学校教育だけで担うには限界があると感じる。子どもとおとなの話し合いイン市議会議場については、民間団体であるウドら夢たち基金のバックアップということ、その取り組みのなかで実現を目指す子どもたちの取り組み過程には市役所の職員も関わってくれている例も多い。市の積極的な応援や規模の拡大、さらに先ほどもあった教育フォーラムや中学生の主張大会など子どもたちの声を生かすことにつながる取り組みを多く行っているなかで、ここからはそれぞれの部署が横の連携をもっと大切にして、本気で子どもたちの声をまちづくりに活かそうという取り組みを形作っていく必要があるのではないか。今ある施策も大事にしながら、職員のみなさんにも負担のかかりすぎない形で、できることを一緒に考えていきたい。
子ども選挙の取り組みについて
Q.昨今の低投票率や若者の政治離れについて、教育の立場からできることはどんなことがあると考えるか。
A.選挙を含め、政治に参画しようとする国民を育成することは学校教育に求められる重要な要素の一つであると認識している。学校においては、小中学校の社会科をはじめ、教科等横断的な視点で学習指導要領に示された内容を確実に指導していくことが大切であると考える。
Q.主権者教育について、学校ではどんな取り組みを行っているのか。
A.主権者教育に関する学校での取り組みだが、例えば小学校社会科において、市町村による公共施設の整備や、租税の役割について学んでいる。中学校社会科の公民的分野では民主政治の推進と公正な世論の形成や選挙など国民の政治参加に関する内容について取り組んでいる。
Q.2022年教科化とされた立川市民科に視点をうつすと、その教科の目的として「よりよい社会の実現に向け、主体的に考え、行動する市民を育成すること」という記述がある。まさに自分たちが住む地域のまちづくりを、自分ごとと捉え、よりよくしようと議論をする市政の場に関わる、その当事者性を投票行動としてあらわすことのできる主権者を育てていくという意味にも捉えられる。立川市神奈川県海老名市や茅ヶ崎市、埼玉県さいたま市などいくつかの自治体では、市民の有志や民間で子ども選挙の取り組みを行っている。また、東京都選挙管理委員会が模擬投票の出前授業・模擬選挙を実施している。小学生から大学生を対象としており、メインは高等学校での実施ですが、なかには小学校・中学校でも実施されている例があると聞いた。令和5年度にはこの選挙出前授業は合計42回、参加者は2778名にのぼっている。さらに、先生方が選挙や政治を児童生徒と共有する際に教えやすく分かりやすくなるような補助教材も都選管では公開している。立川市の市民科、あるいは社会科の授業の中でこういった取り組みを行うことで主権者意識を高めていくことも政治参画への契機づくりの取り組みにもなろうかと考えるが、見解は。
A.市として全校一律に、この出前授業の実施や補助教材の活用をしていく予定はないが、必要に応じて学校に本取り組みについて情報提供をすることは大切であると考える。
少人数教育の実現で学びの充実を
Q.全国的に小学校では、以前は1クラスの定員上限が40人と定められていたが、2021年の法改正により、小学校すべての学年で1クラスの定員上限が35人となる「35人学級」の導入が段階的に行われている。2001年に「公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律」の一部が改正され、「学校の設置者が特に必要と認めた場合」が条件になったことにより、少人数学級の道が開け、さらに教員の採用についても「市町村立学校職員給与負担法」の改正により、2006年から市町村でも独自に教員採用が可能となった。茨城県鹿嶋市では小学校1,2年生を30人学級にするために市独自で教師を採用する方針を決めるなど、市町村における独自採用の動きも活発になっている。大阪府交野市では国に先駆けて2017年度から35人以下学級を実施、今年度から1年生で30人以下学級を実施しており2026年度にかけて段階的に小学3年生まで制度を拡大する予定だと言う。名古屋市でも小学校1・2年生で30人学級、山梨県では県内の小学校1・2年生に25人学級を全国で初めて実現している。段階的少人数教育について、立川市の意欲を聞く。
A.少人数によるきめ細やかな指導は大切であると認識しているが、市として独自に教員を採用い、各学校に配置する予定はない。
Q.立川市でも、今年度1年生で学校支援員を手厚くしていただいている。大人一人当たりがみる子どもの数を減らすという考え方では、すでに一部取り組んでくれているという考え方もできると思うが、これを、2、3年生と手厚くしていく考えはあるか。
A.支援員等の配置については、それぞれの学校の実情のところを毎年その都度注視し状況を評価した上で、検討していく。
学校現場の課題が取り沙汰されるなかで、なかなか進まない働き方改革、国や都の施策にも本気度が見えない。地域でできることはまず一人の先生が子どもたち一人一人と余裕をもって関わることのできる時間を確保すること。立川市独自で少人数教育の設定を設けることは難しいのであれば、さらに地域人材の活用など、より多くの大人の目で子どもたちを見守れるようにしていっていただきたい。
子どもたちの育ちや学びには学校教育の取り組みと市行政の取り組みのゆるやかな繋がりが必要不可欠で、その連携はそれぞれの部署にとっても大変重要なことであると感じている。是非適切な情報共有をしていただき、子どもたちそれぞれの主体性が生き、一人ひとりが大切にされる、そんな教育・まちづくりに向けて、今後もお取組みのさらなる前進を願う。
テーマ2「出産・子育てしやすいまち立川へPart4」
Q先月24日、育児と仕事の両立支援を強化する育児・介護休業法などの改正法が可決、成立した。子どもが3歳から小学校に入学する前までの間、テレワークや時差出勤など複数の選択肢から従業員が働き方を選べる制度の導入を、全企業に義務付けるのが柱となっている。本改正法について、市の受け止めやお考えを聞く。
A.今般の改正では、新たに企業に対し、子育て中の従業員の働き方や休暇取得の選択肢を広げることを義務づけ、離職防止やキャリア形成につながる制度づくりや配慮を求めていくもの。この改正により、子育てと仕事の両立支援が国主導により社会全体で一層進むことが期待されるため、本市としても、その趣旨や動向を踏まえ、子育て・子育ちを応援する施策の推進に取り組んでまいりたい。
未就園児家庭の居場所や子育てひろば利用について
Q.国が子育てと仕事の両立を支援し多様な働き方が広がっていくという方向性の中にあって、育児休業をパートナー同士で同時に、あるいは交互に取得する、父親は育休を分割して2回取得することができる、さらには育児休業給付金が現在3分の2程度のところを2025年度から実質100%を目指すなど、これらの取り組みがさらに広がっていくことや、今後時差勤務、時短勤務など働き方の多様性が浸透していくことを鑑みれば、当然、親が子育てに関わる機会や時間も増え、地域の子育て施設の需要が高まってくるのではと考える。そこで、未就園児家庭の居場所や子育てひろば利用について、聞く。立川市でも子育てひろば事業を行っているが、現在の課題について、どう捉えているか。
A.子育てひろばの利用者数がコロナ禍以前とは同等の水準までは回復していないこと、新規登録者数が増えている地域がある一方で、少子化が進み、利用者が伸びていない地域があること、またイベント情報等の発信が、手段・効果ともに限定的であることなどが課題であると捉えている。
Q.立川市の子育て広場のページをみると、いま、出前ひろばや出張ひろばの予定のカレンダー提示をしてくださっていて、こちらは大変見やすいのですが、市内子育てひろば一覧の方は、情報の内容もまちまちで統一感がない印象もあり、実際に電話をしないと情報が分からないような施設もある。外部リンクにあるたかのみち保育園内の「にこにこ子育てひろば」のページに訪れると、月間のカレンダーの掲載があり、いつ、どんなイベントがあるか見ることができる。ひろばによっては、ホームページに掲載がなくても、実際にその場に行くと、その施設の月間カレンダーやイベント情報をいただけるところもある。これらの情報の一元化について、市のページをさらに改善していただければ市民の利便性向上につながると考えるが、見解は。
A.ホームページについては、情報の見やすさ、探しやすさが向上するよう、一覧画面から各ひろばのイベント情報等へリンクできるようにするなど、今後工夫をしていく。また、現在、明星大学の学生とのコラボによる立川活性化プロジェクトが始動しており、「遊びにおいでよ子育てひろば」をテーマに、未就園児の保護者に向けた効果的で魅力的なコンテンツ制作を目指し、ディスカッションしているところ。
Q.情報の一元化、たとえば市内の子育てひろばイベントカレンダーなどご検討いただきたい。町田市へ伺い、町田市の子育て支援、「マイ保育園」事業の内容についてお話を伺った。町田市では、「安心して、楽しく子育てができるまち」を目指して、2014年から公立私立保育園による「マイ保育園(かかりつけ窓口)事業」を実施している。在宅子育て家庭がマイ保育園利用登録をすることで、家庭に孤立することがなく、近所の保育園で簡単な相談や身長体重の測定ができ、子育てに関する様々な情報を得られるようにするのがねらいだそう。町田市ではマイ保育園制度によって地域ごとの子育て支援に取り組んでいるため、各子育てひろばや近所保育園幼稚園のイベントなども、カレンダーで地域ごとに作成、ホームページに掲載や各施設で直接配布をしている。町田市の場合は5つ地域があって、月ごとに各地域の子育て関連情報のまとめのおたよりがあって、情報が一度にまとまって手に入るので、それぞれの施設を調べる手間も省け、予定も立てやすくなる。地域ごとのカレンダーもあり、今月は何日に、どの子育てひろばや保育園・幼稚園で地域向けのイベントが行われているなど、一目で分かる。アンケート結果からもマイ保育園の取り組みによって、親子で出かける機会が増えた、子育ての知識が増えた、など、子育てに前向きになった回答が多かった。町田市のマイ保育園制度について、感想などあれば、聞く。
A.地域の子育て拠点である認可保育園を「かかりつけ窓口」として登録いただくことにより、育児の相談やイベント情報の入手、園庭開放の利用等がしやすくなると思われる。保護者にとって、利便性と安心感を兼ね備えた取り組みだと存じます。
Q.立川市は公式ラインを始めていて、日々さまざまなお知らせやイベント情報が届いている。この、立川市公式ラインの活用で、より地域に密着した子育てひろばのイベントなど情報を届けることはできないのか。
A.今般のホームページリニューアルを機に、閲覧者や市公式LINEの登録者が増えることが期待されるので、よりタイムリーで効果の高い発信方法等について検討していく。
Q.より地域に特化した情報を届けていただければ子育て世代の選択肢の幅が広がる。そこで市内の地域福祉の6圏域が活用できないかと考えた。私自身、自宅のポストに投函されていた、地域福祉コーディネーターと住民と地域包括支援センターの情報誌「まちねっと」に、地域食堂の情報や近所の児童館のイベント情報が載っていて、自分の子どもと参加してみようと思い申し込んだことがある。こういった情報誌を活用することも一つとしてある。地域ごとの子育て情報・ひろばの情報などを強化して発信していただきたいと考えるが、見解は。
A.地域の子育て支援情報やイベント案内等については、現在、現役の保護者と指定管理者との協働編集による情報誌「ほほえみ」として、年3回発信している。福祉6圏域の単位では、地域包括支援センターの広報誌もポスティングがされているので、その活用も含め、どのような形の発信が効果的であるのか、検討していく。
水遊びのできる公園で暑い夏を乗り切るために
Q.温暖化が進んでいる影響もあり、昨年は異常な暑さが続いたが、今年は昨年に匹敵するか、それよりもさらに暑くなるなどの予想もある。異常気象の要因となる気候変動について、地球規模で適切な対策を講じていくことはもちろんだが、まだ小さな子どもを子育て中の親として頭を悩ませるのは、子どもの遊びについて。残念ながら、外出するのも危険なほどの暑さの日には、命を守るため外遊びは控えるとして、暑くても外遊びが可能であれば快適に楽しく遊びたい、あるいは夏の遊びとして水遊びを経験させたい、と願う親は少なくないと考える。立川市では国営昭和記念公園のレインボープールが老朽化によって2021年から営業を停止しており、一部水遊び広場は規模を縮小して営業していたものの、そちらも2022年まで、そのまま解体・撤去されるということが分かった。跡地は「親水空間(水のゾーン)」と位置付けて再整備するという予定のようだが、民間事業者からアイディアを募るということで以前のようなレジャープールが造られるかどうかは定かではない。この一連の影響を市ではどのように捉えているか。
A.国土交通省関東地方整備局がまとめた「官民連携による国営昭和記念公園昭島口周辺エリア再整備方針中間とりまとめ(案)」は、昭和記念公園来園者は年間約400万人で、そのうちレインボープール利用者は約15万人前後の方に利用されていたとされている。立川市、昭島市を含む多摩地域からの利用者は約6割をしめていることからしても、JR立川駅周辺のにぎわいに一定の寄与をしていたものと考えられ、プールの閉鎖は少なからず影響があるものと認識している。昭和記念公園昭島口周辺エリア再整備方針によると、本エリアは「親水空間リニューアルエリア」とされている。今後、子どもたちやファミリー層が安心して楽しめる親水空間として生まれ変わることとにより、新たなにぎわいにつながることを期待している。
Q.私自身コロナ禍の出産で、昭和記念公園の水遊び広場が最後に営業していた2022年は子どものオムツが外れていなかったので、来年からはレインボープールで水遊びできるかと楽しみにしていた矢先に発表を知り、大変落ち込んだ。老朽化ということで仕方がないにせよ、では、地域のどこで水遊びができるのだろうと思い、調べて去年は市内いくつかの公園へ水遊びに子どもと出かけた。そこで、立川市には水遊びのできる公園はどこに、いくつあるのか、聞く。
A.立川市で水遊びのできる公園は、市内に5施設ある。今年度利用できる公園は見影橋公園と諏訪の森公園の2か所。大山公園、上砂公園、根川緑道・霧の広場は今年度は利用できない。
Q.3施設が今年利用できない理由は、何か。
A.まず、霧の広場はリニューアル工事のため。大山公園と上砂公園は、この公園の水について、大山団地の中にある井戸を使用しているが、そこからPFOSが暫定目標値を超える数値が検出されたため、現在、通水を停止している状況。
Q.子育て中の親御さん方に話を聞くと、東大和市や府中市、小平市など近隣市の水遊び場や市営プールを利用している声が多かった。立川市内にも水遊びのできる公園の存在を知りつつ、中には水質が心配という意見もある。今年度稼働を予定している水遊び場は安心して遊べる水質であるか。
A.見影橋公園と諏訪の森公園については、水道水を使用しているため、安全であると考えている。
Q.水質のことで遊び場が停止してしまった公園があったことは残念ですが、慎重な判断をされているのだと思う。今後の予定など方針があれば、聞く。
A.大山団地の井戸については、今年の11月頃に水質調査を予定している。その調査結果を踏まえて地元の意向を聞きながら慎重に検討していく。
Q.今後の調査でも結果の速やかな公表や、適切な対応を願う。市内に水遊びのできる公園について変則的な動きがあるなかで、一覧のようなまとまった情報が、市のホームページなどどこかに掲載されているのか。
A.水遊びのできる公園についての情報は現在ホームページに掲載していない。
Q.過去にはほほえみという立川市の子育て情報誌の一部に水遊びのできる公園を一覧にして紹介したことがあったようである。2012年ということでだいぶ前のほほえみの記事だが、市内・近隣の水遊びのできるスポットのまとめが写真やおすすめエピソード付きで掲載されており、大変分かりやすく参考になった。多くの市民が楽しみにしていた昭和記念公園のレインボープールや幼児用の水遊び広場が老朽化による停止・解体を受けて、市内の水遊び場所の情報は子育て世代にとって大変有益であると考える。民間施設であるグリーンスプリングスのカスケード、水の階段でも水遊びをすることができ、この場所には近年多くの子どもたちや子連れの親子でにぎわっているが、ぜひ地域の公園も利活用していただいて、親子の居場所を見つけていただいたり、そこで交流が生まれたりすれば地域の活性にも繋がると思いこのテーマを取り上げた。水遊びができる公園についても一覧やマップで市のホームページなどに掲載していただけたらと考えるが。
A.水遊びのできる公園について、ホームページに掲載していきたい。
育児と仕事の両立支援法の法改正をこの質問のはじめに聞いたが、本法案の改正には、女性に家事や育児の負担が偏りがちな現状を、短時間勤務や時差出勤・テレワークなどから働き方を選択したり、時間単位で休暇を取得したりすることができるなど、育児中の柔軟な勤務環境を整えることによって、共働きや共育てをすすめるというねらいもあると国は示している。だからこそ、未就園児の居場所、子育て広場や子育て関連のイベント、季節特有の遊び場など、母親にも父親にも知ってほしい情報を市が積極的に発信すること、その情報を探せば、欲しい情報を登録しておけば、手元に届くという仕組みづくりが、これからの時代さらに求められるし大切になってくるであろう。立川市での子育て子育ちが、親にとっても子にとっても地域にとっても、もっと楽しく有意義なものになるよう願っている。