令和5年第1回定例会ご報告~一般質問~

一般質問で原ゆきが行った質問をまとめました。
関心のあるトピックをクリックしてお読みいただければと思います。

■一般質問動画

※記事は概要です。質問の様子は以下をクリックしてご覧頂けます。
(R5年3月一般質問動画)

【多様性を認め合う学校教育にむけて】

●「特別の教科 道徳」の評価のあり方

Q.原ゆきの質問(以下Q.)
立川市教育委員会としては、道徳科の評価について、どのような認識をしているか。

A.立川市の回答(以下A.)
他の児童生徒との比較による評価ではなく、児童生徒がいかに成長したかを積極的に受け止め、認めて、励ます個人内評価として記述式で行っている。

Q.市教育委員会としては、道徳の評価の書き方について、どのように各学校や教員へ研修・指導しているのか。

A.道徳科に係る研修については、初任者研修で行っている。各学校において管理職が学習指導要領の趣旨を踏まえ教員への指導・助言を行っている。

Q.市教育委員会は、個々の評価がどのようにされているか、把握しているか。

A.評価した内容について市教育委員会への報告は求めていない。担任の評価を把握する立場にあるのは学校の管理職であり、その評価について指導・助言を行うのも管理職となる。

Q.適切な評価の在り方を市教育委員会としても、各学校、教員へ研修あるいは共有していただきたいが、見解は。

A.道徳科に係る情報の共有は、中学校区による小中連携の部会や小学校及び中学校教育研究会の教科部会で行われている。市教育委員会では、道徳科の評価に特化した研修はないものの、道徳科の指導教諭による授業力アップ研修を行っている。

Q.立川市の各小中学校では、道徳科の評価において、学期ごとに行っているのか、年間で行われているのか、それぞれの校数は。

A.通知表における道徳科の所見を毎学期記載している学校は8校、年1回の記載としている学校は20校である。

Q.専門家会議から「評価は年間35時間の授業という長い期間で見取ったりするなどの工夫が必要」と示しているにも関わらず、立川市の小中学校において学期ごとに評価をしているところがあるのはどうしてなのか。

A.まとまりの期間については校長が判断するもの。児童生徒へのフィードバックや個人面談における活用等を連動させた結果、学期ごとに設定する学校があるものととらえている。

Q.教員の業務量削減の観点から、また一定のまとまりから見とる評価の妥当性からも、市全体の小中学校において道徳科の評価は年間で行い、所見は学年末のみとすることを市教育委員会として判断することはできないか。

A.各学校が校長の学校経営方針の下、児童生徒の実態や年間指導計画、保護者との面談の時期や内容などを踏まえて作成していることから、市として一律にすることは考えていない

Q.市内教職員の過重な時間外労働が改善されないことが課題としてあげられている。文部科学省(以下、文科省)が言っているのはあくまで公簿である要録への記載についてであるので、あゆみにはむしろ所見評価を行わなくてもよいという考え方もできる。それくらいの改革を進めたらいかがか。

A.学校の教育活動では、学校行事や教科等における「指導と評価の一体化」を確実に進めることが求められる。所見による評価は、教員が指導を振り返るとともに、児童生徒の成長について適切な言語を選択し、端的に文章化して分かりやすく保護者に伝える機会となると考えている。

●ジェンダー平等の取り組みについて

Q.学校でのジェンダー平等の取り組みについて聞く。出席簿の順は男女別か、男女混合か。

A.市内小中学校では、男女混合の出席簿を使用している。

Q.集会や行事など整列の時にはどのような順で整列しているか。

A.学校や学年によって、男女混合や男女別での整列を使い分けているが、男女別にすることが多いと認識している。

Q.学校施設のトイレにおいて、各階に多目的トイレを設置する、あるいは性別を分けずに、誰もが利用することのできる、オールジェンダートイレを設置する予定はあるか。

A.「学校施設標準仕様」で、校舎の各階に車椅子対応のトイレを整備することとしている。今後の建て替えにおいては、これに従い、整備のほうを進めていく。

Q.「車椅子対応のトイレ」とは、多目的トイレという理解で間違いないか。

A.そのような理解で間違いない。

Q.今後多目的トイレの整備を進めていくとのことだが、多様性を認め合うためにも、オールジェンダートイレの設置・推進を求める。見解は。

A.オールジェンダートイレについては、今後の他区市町村の動向も踏まえ研究していく。

Q.文科省が2014年に公表した調査では、小中高校などを通じ任意で回答したトランスジェンダーの児童生徒606人のうち、約6割が周囲に知られないよう学校生活を送っていることが分かった。文科省はこれをうけて、児童生徒に配慮するよう学校関係者らに通知し、相談を受けた際のサポートチームの設置やプライバシーの配慮などを求めている。立川市の取り組みを伺う。

A.児童生徒の不安や悩みに対して、相談内容に応じて管理職、学級担任、養護教諭、学校医やスクールカウンセラー等が連携し、いつでも相談を受けるよう周知している。児童生徒の呼び方については、男女別に「くん」「さん」をつけえるのではなく、性的マイノリティとされる児童生徒にも配慮し、誰でも受け入れやすい呼称「さん」をつけて呼ぶよう指導している。

●条例改正に伴い、通常学級の支援体制は強化を

Q.令和3年5月に「改正障害者差別解消法」が可決、成立し、今後は企業においても「合理的配慮」を提供することが法的義務となった。これに伴い、前回の12月議会で、「立川市障害のある人もない人も共に暮らしやすいまちをつくる条例」の一部を改正する条例が成立し、令和5年4月1日から施行されることとなる。今回の条例改正において、教育に関する合理的配慮を行うことが、努力義務から義務へと改正された前回の私の一般質問において、知的障害、情緒障害、発達障害のある児童生徒が、本人や保護者の意向などにより通常の学級へ就学する場合について「学校支援員の配置により対応している」とのご答弁でした。学校支援員の配置については、学校に配置されているので、必ずしも毎回特定の児童生徒の支援につくことができるとは限らない。これは、条例の示している「個々に応じた教育が受けられるようにするための必要な措置」を行っていると言えるのか。

A.学校支援員については、学校規模に応じた配置をしており、2学期途中に各学校の活用状況や増配置の希望を確認し、教育委員会で全校の調整を図った上で、各学校への追加配置をしている。個に応じた学習については、学校支援員の配置のみならず、授業改善や校内体制の工夫、タブレットやパソコン等の活用など、各校へ指導している。

Q.先ほどのような障害のある子への対応として、学校支援員は全員が特別支援教育としての専門的な知識や学校現場におけるスキルを持ち合わせているのか。

A.学校支援員の任用にあたっては、特に必要な経験や資格の要件はない。例年5月中に、学校支援員対象の研修を実施し、支援に対する考え方や支援の方法等を指導している。

Q. 4月1日の条例施行に向けて、児童生徒にどんな障害があっても、通常の学級においても個々の学びが保障できるよう、特別支援としてのサポートが必要な場合には専任の支援員を通常学級にも配置をすること、見守りが必要な児童生徒のための支援員を拡充することなど、その体制づくりを確立しなければならないと考えるが。

A.各学校において通常の学級に所属する障害のある児童生徒に対しても、個に応じた教育を行うために合理的な配慮を行う必要があると認識している。
学校支援員の専門性の向上については、引き続き研修等を実施していくとともに、教育委員会としても、学校支援員の適切な配置、授業改善、児童生徒の状況に応じた支援等による各学校の体制づくりに努めていく。

【もっと!出産・子育てしやすいまち立川へ】

●子育てしやすいまちについて

Q.市長の目指す「子育てしやすいまち」とはどのようなものか。

A.出産から子育てにつながる時期は、子育ての不安が大きいことから、母子保健サービスや発達相談の充実、子育てひろばの充実、保育園の待機児解消などを進めてきた。また、令和5年度予算案においても、医療費の助成や放課後子ども教室の拡充など、本市独自の子育て支援策も盛り込んだ。今後も、若い世代から子どもを産み育てやすいまちとして選ばれ、住み続けていただけるまちを目指す。

●東京都ベビーシッター事業との連携について

Q.東京都のベビーシッター利用支援事業に立川市はなぜ取り組まないのか。

A.閉鎖的な保育環境での安全確保に課題があると考えている。本誌では、一時預かりを行う保育園の増設や、ファミリー・サポートの援助会員の養成等に重点を置くなど、地域で顔の見える預かりを推奨してきたこともあり、導入に至っていない。

Q.本事業はファミリー・サポートを依頼する場合に比べて4分の1ほどの料金で利用でき、育休終了後に復職する保護者も対象としており、女性の社会進出や地域の雇用促進にも寄与する。本事業を導入するべきと考えるが、見解は。

A.近隣の導入市での利用実績について、いずれも少数にとどまっていると聞いている。現時点では本事業の導入を予定していない。引き続き一時預かり事業の利用のしやすさを進めていく。

●産前のサポートについて

Q.立川市で行われている産前のサポート事業について、どんなものがあるか。

A.妊婦サポート面接やパパママ学級、親と子の健康相談のほか、育児支援ヘルパー事業などがある。

Q.妊婦サポート面接やパパママ学級について、オンラインの対応はされているか。

A.妊婦サポート面接はオンラインの申し込みを受け付けている。パパママ学級は実施していない。

Q.パパママ学級も今後オンラインで対応していく予定はあるのか。

A.コロナ以降、産科医療機関ではオンライン講座がメインになり、対面で実施している市の事業についての要望が高いといった事情もある。しかし、オンラインツールによるハード面がそろって、今後仕組みとして実施できるといったことも想定される。各市の状況、市の体制整備も含めて検討していく。

Q.パパママ学級は開催が月に数回と限られている。希望者が多く、キャンセル待ちの枠をつくったと聞いたが、受講を希望したが最終的に受講できない場合もあるのか。

A.残念ながら受講できない場合もある。希望があれば、保健師もしくは助産師が、親と子の健康相談等で相談をお受けするほか、ご自宅に直接訪問し沐浴指導等を実施するなど補完的な対応を図っている。

Q.立川市のパパママ学級(産前クラス)は初めて出産する方に限られている。経産婦であっても、以前の出産から期間があいている場合や、転入してきている場合もある。経産婦も対象にできないか

A.現状では初産婦で定員を満たしているため、初産婦のみを対象としている。希望に添えなかった方には、保健師助産師による訪問等個別の対応を図っている。

Q.妊産婦へのタクシー利用券の配布、タクシー利用料の助成を行っている自治体もあるが、立川市として取り組む予定はあるか。

A.タクシー券について、現在市では、多胎児家庭支援事業として移動経費の補助を行っている。妊婦に対しての補助については、他市の状況を調査するとともに、妊婦サポート面接時に支給している育児パッケージ等の活用方法策などについて、今後の東京都の動向も踏まえ調査・研究していく。

【若葉町まちづくりのこれから】

●現状と今後にむけて

Q.若葉町まちづくりについて、進捗状況を聞く。

A.ワークショップやアンケート等を通じて市民の皆さまからご意見を伺うとともに、旧若葉小学校・清掃工場跡地に関するサウンディング型市場調査等により、民間事業者からのご意見も参考にしながら庁内で検討を重ねてきたが、ここで「若葉町まちづくり方針素案」として、今後の若葉町まちづくりの方向性をとりまとめたところである。

Q.ワークショップで出てきた市民の意見は、今後どのように取り扱われるのか。

A.ワークショップに参加されたグループからのご意見等については、本素案の「若葉町のまちづくりの将来像」等に反映したり、暫定運営の中でもアイディア実現を模索したりするなど、可能な限り若葉町まちづくりに生かせるよう努めていく。

Q.清掃工場の跡地は、「市民が有意義に使える公園になってほしい」という意見が多かった。公園となる方向性でまとまりそうか。

A.若葉町まちづくり方針の素案では、清掃工場の跡地の活用として、公園や広場、緑地や雑木林などを想定用途とした緑を身近に感じることができる活用や地域の安らぎと交流の新たな拠点等となる活用を目指した内容として記載している。

Q.旧若葉小学校跡地の活用としては、「市民が自治会の会議などで使える会議室も併設してほしい」との要望があるが、見解は。

A.本跡施設の活用について、市の公共施設を新設する考えはない。地域の活性化につながる用途としての活用を条件に、民間事業者等による活用を基本に事業を進めるが、その用途によっては、一部を自治会の会議室等に使用できる可能性があるものと考えている。

Q.現在若葉町・幸町エリアでは行われていない親と子の健康相談の出張相談や、未来センターや健康会館で行われている子育て講座、健診や子ども家庭支援センターなどのサテライト的な要素を兼ね備えた機能が求められている。若葉小学校施設跡地でできないか。

A.各種関連事業において、事業内容が多岐にわたることから、医師を含め様々な専門人材の確保をはじめ、施設及び機器類の整備など諸課題があるため、現在のところ実施は難しいと考えている。

Q.方向性が定まっていく時期であり、市民からの注目も高い。今後、市民に向けての説明会などの予定はあるか。

A.本年4月14日金曜日の夜間4月16日日曜日の午後に、若葉町まちづくり方針素案の説明会を旧若葉小学校体育館で開催する予定である。また、パブリックコメントも4月7日から27日まで予定をしており、今後広報たちかわや市ホームページ等で周知していく。

※質問を終えて※

【多様性を認め合う学校教育にむけて】

●「特別の教科 道徳」の評価のあり方

「『指導と評価の一体化』を確実に進めることが求められる。所見による評価は、教員が指導を振り返るとともに、児童生徒の成長について適切な言語を選択し、端的に文章化して分かりやすく保護者に伝える機会となると考えている。」教育長の見解も理解できます。しかしながら、基本的に「学習のようす」「生活の様子」というくくりの中で所見評価を行うなかで、道徳科だけは数値評価がなじまないためにそれだけを取り上げて所見評価を行わないといけないことは、明らかに教員の業務量負担になっています。学期ごとに所見評価を行っている学校は、全体の半数以下となっているので、評価の「一定のまとまり」を年間として、年度末のみの評価としてもよいことを校長会で共有していただくなど、プッシュしていきます。

●ジェンダー平等の取り組みについて

今後建て替えを予定している学校施設においては、各階に多目的トイレを設置する予定であることが確認できたのはよかったです。一方で、文科省が掲げている、水泳指導を含めた体育の授業や着替えの場所に配慮することやサポートチームでの支援体制づくりなど、取り組みが十分でない部分については、さらなる配慮と取り組みの強化を要望しました。

●条例改正に伴い、通常学級の支援体制は強化を

学校支援員の配置だけでは、障害のある児童生徒に対する合理的配慮を行っているとは言えません。通常学級に所属する障害のある児童生徒に対しても、個に応じた教育を行うために合理的な配慮を行う必要性があると認識している」答弁を引き出せたので、今後どのような措置を講ずる必要があるか、具体的な体制づくりにむけて議論をすすめていきたいです。この課題については引き続き精力的に取り組みます。

【もっと!出産・子育てしやすいまち立川へ】

立川市には産前のサポートが少ないので、もっと充実していってほしい思いから質問を組み立てました。東京都のベビーシッター利用支援事業については、前向きな回答がなく残念です。

また、妊婦の移動支援として、他の自治体でも取り組まれている妊婦のタクシー券配布、タクシー利用料の助成について要望しました。さらに、市が行う産前クラスである「パパママ学級」では、経産婦の受け入れを求めました。パパママ学級について、希望しても受講できない場合があることが分かったので、すべての妊婦さんが安心して出産を迎えることができるよう、今後実施回数の拡充や定員緩和についても求めていきます。

【若葉町まちづくりのこれから】

「若葉町まちづくり方針素案」の公表から、方向性がまとめられ、市民の注目も高まっています。清掃工場跡地については、アンケート調査で第1位であった「公園、広場」となる方向性が確認されました。また、「アンケートやワークショップで示された『若葉町の特徴である緑や自然を大切にしたい』という地域の意見を、市はまちづくりの重要な視点として捉えている」旨の答弁を聞き安心しました。

旧若葉小学校跡施設の活用については、市の公共施設を新設する考えはないものの、地域の活性化につながる用途としての活用を条件に、民間事業者等による活用を基本として事業を進める方向性が確認できました。自治体が使える会議室についても、今後決定する民間事業者の用途によっては「一部を自治会の会議室等に使用できる可能性がある」とのことでした。

今後、決定事項が既成事実として伝わるのではなく、地域住民への丁寧な説明と周知を求めました。